(今日のコトバ)
真実は、息の根を止めようとする罪がある。
出来事には、すべて真実がある。
その真実をすべての人で共有してしまえば話は終わる。
だが、真実を知ってしまうために、
悲しい思いをする人がいる。
あるいは、真実を知らないふりをして、
なんとかやりくりしている人もいる。
一概にいえないが、真実は尖った刃物のようなもので、
人の心にぐっさり刺さることもある。
だから、人は嘘を用意して、
真実と距離をとろうとするのかもしれない。
だとすると、
時に真実を突きつめるのも大切だが、
状況判断で真実に背中を向けることも必要だ。
特に、人間関係では真実の存在が難しい。
「それを言っちゃお終いだよ」という
寅さんの名言が真意をついている気もする。
「それを言っちゃ」はたぶん真実なのだ。
人生の生き方はひとつではない。
人間の数だけ方法論がある。
そして、真実を伝えることでうまくいく状況はある。
反対に、真実を知らんぷりすることで
うまくいく状況もある。
人間の知恵は、その状況によって、
真実の使い方を考えられること。
生きるために、真実を使い方を考えよう。
そこにコミュニケーションの真意があるはずだ。
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