(今日のコトバ)
忘れものをどれだけしたかわからない。
だけど、大切なものはだいたい持ち続けているものだ。
忘れたりしない。
人生の中で、
あれやこれや忘れた経験がある。
ものもあれば、記憶もある。
失って、惜しい、悲しいものもあれば、
失ったことすら忘れているものもある。
ただ、ものも、記憶も、
ほんとうに大切なことは、
ちゃんと自分の中にある。
貴重なものがなくなれば、
どんな手を使っても探し出す。
大切な記憶は忘れることはない。
人は、大切な忘れものを忘れない。
さらに、忘れない忘れものは、
人生の中で大きな存在になる。
忘れものに存在という言葉もどうかと思うが、
まさに、存在そのものとしかいいようがない。
無くなった時の喪失感、
記憶が蘇った時の感動は、
存在というにふさわしい。
いい方をかえると、
忘れものという存在がリアルに自分に迫ってくる。
目に見ない、この世に存在しないことが、
いま、目の前にあるものよりも雄弁に語りかける。
人間の不思議な気持ち。
人間の不思議な心の状態。
大切な忘れものは、決して忘れないのだ。
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