生きるに値する場所

(今日のコトバ)

 

 

もう帰れない場所があるから、

いま生きている場所が愛しくなるんだ。

 

 

 

 

いわゆる故郷。

帰ることはできるが、昔のままではない。

街が新しくなっている。

いるはずの人がいない。

道が気持ちのせいか小さくなっている等。

帰りたくても、もう似て非なる場所になっている。

また、帰りたいけど帰れない場所もある。

不義理をして帰れない。帰りたくなくて帰れない、帰らない場所。

もっといえば、時間軸の中で、

いまより昔はすべて帰れない場所になる。

どれだけ戻りたくても戻れない。

だからこそ、愛しい場所、愛しい時間になる。

ただ、それよりも愛しいのがいまいる場所でなくてはならない。

あたりまえにあると価値の感覚がおかしくなるが、

やはり、いまいる場所は大切なはずだ。

いま、自分がなんとか生きていける。

普通であったり、素晴かったり、

時に辛かったりするが、

それら含めて、自分が生きるに値する場所にいる。

過去は美化されて記憶になるから、

愛しくなるが、

いまいる場所こそが、

自分にとってかけがえのない場所。

人生で欠けては困る場所。

その場所を愛さなくて、どの場所を愛するのか。

だから、まず、自分のいる場所を大切にしよう。

そして、愛そう。

そこから人生も愛しくなる。

人生を肯定できる。

生きるべき支柱ができるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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