(今日のコトバ)
不良を切り取ってばかりいたら、
つまらない大人になってしまった。
品行方正を求める時代だ。
コンプライアンスが幅をきかせていく社会でもある。
同じでないことを極端に排除する世の中にもなっている。
無傷で、無菌状態の人間ばかりがつくり出されている。
先人たちは、世界を良くしようと、知恵を巡らせて、
様々な制度をつくり、人間を枠の中にはめる。
良かれと思って考えた制度ばかりだが、
あまりにも、まともな人間ばかりになってはしないか。
人間は、もともと、どこか不完全なもの。
その不完全なものを埋めようとして、
あるいは売りにして、自分の矜持を持つ。
不良といわれようが、変わっているといわれようが、
少々ズレていようが、それはそれでいい。
敵が多くてもいい。自分の生き方を貫いていく。
そんな生き方がまかり通ったはずだ。
だが、現在は、はみ出したり、普通の基準を守らない人間を
枠の外に追いやる。
昔より、はみ出した人間の居心地を悪くしている。
なんでも、行き過ぎは状況を悪くする。
いまのルール化されすぎた世の中も、
少し考えた方がいい。
そのルールが息苦しくて、
自分を殺してしまっている人間もいる。
人間は、一人一人が違っているから面白い。
みな同じ枠におさめたら、つまらない。
なんとなくそう思っている人間もいるはずだが、
その声が上がらなくなっているのも問題かもしれない。
人間の不完全な部分、人間の未熟な部分を、
もっと認める。もっと自由にしてみる。
元々持っている動物の本能に近い部分も
大切にしていいのではないか。
人間は自由な生き物なのだ。
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