(今日のコトバ)
バーチャルな世界が発展すると、
リアルな世界が途上する。
人は不便をなくそうとして、
技術を進歩させた。
結果、人は便利になった。
ある意味、理想的な世界になったといってもいい。
でも、と思う。
便利になった人は、当然のごとく不便を嫌う。
便利なものへ、便利なものへシフトしていく。
その行く末は、デスクやベッドから一歩も動かず、
すべてが完了してしまう世界なのかもしれない。
とすると、実際に動いていない人は、
体験などできるはずもなく、
バーチャルな世界へと迷い込んでいく。
造られた世界なら、リアルな世界が存在しなくても、
疑似体験できてしまう。
体験しなくてはわからない、
苦しさ、痛み、かゆみ、暑さ、寒さ、筋肉痛、
すべて人の本能から忘れ去られてしまう。
それでは、人の機能は退化するばかりだ。
バーチャルな世界が進化するのはいい。
ただ、リアルは残さなければ、
人は生き続けられない。
だから、リアルを維持するためにも、
不便を大切にしよう。
不便であることが人の機能にどれだけ役立っているかを
考え、必要な不便を受け入れながら生きて行こう。
人に喜怒哀楽あるのも、この不便があるからこそ生まれているのだから。