(今日のコトバ)
生きれば生きるほど、
明日が愛しくなる。今日が愛しくなる。
昨日が愛しくなる。
被災に遭われた人たちが、とにかく命があって良かったという。
自分の命も、家族の命も、無事であれば、
なんとかやり直せるという。
反対に、家族の死亡を確認したり、消息不明だったりすると、
絶望の淵に立たされ悲しみに暮れている人もいる。
ただ、そんな人たちも「ここで終わりではない、また、ここでがんばる」
「それでも天を恨まない」「自分の命を守ってくれてありがとう」等、
前向きな声が聞こえ始めている。
きっと、被災されたすべての人が、生きることを真剣に考えて、
これらの声になったのだと思う。
そして、その人々の心のなかには、これまでの人生を生きたという
膨大な思い出がある。
昨日までの美しい記憶があって、今日の辛い現実があって、
それでも、明日という素晴しい未来があるんだと思いたい。
生きていることを愛しいと思っているのだ。
被災しなかった人は、被災した人と同じ気持ちにはなれない。
だが、被災した人たちの生きる強さは理解できる。
もし、これから辛いことがあっても
彼らの生きる強さを学んで立ち上がれる。
人間には、生きた日々があるのだ。
それが過去であろうと未来であろうと、
心の、体の中に生きている。
人間は、記憶を愛して前進する生き物なのだ。
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