(今日のコトバ)
すこし匂いがないと、人は寄りつかない。
無臭。
どんどん匂いを消していくことで、
キレイになるという考えもある。
ただ、ある程度、匂いがないと人は関心を持たない。
人の匂いだけでなく、人以外の生き物の匂い、
街の匂い、機械の匂い、海・川の匂い等、、、。
昔は良くも悪くも、匂いがした。
悪臭もあって、一概に匂いがいいとは思わない。
だが、匂いがあることによって、
息づいているという確かな実感があった。
匂いと同時に色もあった気がする。
もしかすると、匂いがなくなったことで、
個性がなくなったことにも通じているかもしれない。
たとえば、海も潮の匂いのようなものがあったが、
東京湾は浄化されたため、
あの頃の匂いはない。
都会を流れる川も、匂いはなくなった。
安全、安心を掲げて
自治体が努力しているのはわかるのだが、
あまりにも匂いが消えた世界に、
人は興味を持たない。
この世界のすべてが、
ただのものになってしまうのだけは
避けたいと思うのだが、
いまを生きる人はどう思うのだろう。
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