もう20年も前のことになる。アフリカの飢餓難民救済をテーマに、
世界中のミュージシャンが一同に会して行われたイペントがあった。
その名は、「LIVE AID」。
ひとりでもスタジアムを超満員にしてしまうスーバースターが、
ロンドンのウェンブレースタジアムとフィラデェルフィアのJFKスタジアム
で競演した。
参加したメンバーは、スティング、フィル・コリンズ、デビッド・ボウイ、
ミック・ジャガー、U2、クイーン、エルトン・ジョン、ザ・フー、
ビーチ・ボーイズ、シャーディ、マドンナ、ポール・マッカートニー、
ポール・ヤング、ブライアン・フェリー、ホール&オーツ、
エリック・クラプトン、デュランデュラン、ティナ・ターナー、
ボブ・デュランなどなど。
日本でも衛星中継され、司会は逸見政孝でゲストは南こうせつや小田和正らが
出演していた。また、このイベントに日本代表として矢沢永吉、佐野元春などが
ビデオで参加していた。
当時、まだビデオもない家で暮らしていた私は、飲めないコーヒーを
ポットいっぱいに入れ、スタートの夜9時から朝までまでがんばったのを
思い出す。ただ、コーヒーがインスタントだったためか、
途中、ポール・マッカートニーがレット・イット・ビーを歌ったのを
一瞬の睡魔に襲われ見逃してしまった。
さらに、20年前とはいえさまざまなシーンも思い出させる。
フィル・コリンズがイベント中にジェット機に乗って、ロンドンと
フィラデルフィアで歌を歌ったこと。ミック・ジャガーと
デビッド・ボウイがダンシング・イン・ザ・ストリートで
初競演したこと。売れ出して間もないマドンナがういういしいこと。
このイベントの後、数年で死んでしまったフレディ・マーキュリーが
元気に駆け足で登場したこと。ボブ・デュランがあまり歌が上手くなかったこと。
テレビ中継では、USA FOR AFRICAのWE ARE THE WORLDが見れなかったこと。
その後、20年たっても超えることのない空前絶後のイベントを
リアルタイムで見ることができた私は、奇跡の、歴史の目撃者として
とても幸せだった。
このイベントが最近DVDで発売された。1970年代、1980年代に青春をおくった方は
必見である。感動から感動へ。興奮から興奮へ。さらに、
あの日、あの時の思い出がDVDを再生している間中、蘇る。