(今日のコトバ)
負けて得るものがある。
勝って失うものがある。
勝つことばかりを考えていた時期がある。
いまでも、若干、
そういう気持ちがないでもない。
ただ、勝つということがすべての幸せに
つながるかというと、
そうでもないことを年を重なるたびに知る。
たとえば、勝って手にしたポジションが
途轍もなく重いことがある。
出世争いに勝って
人より早く本部長になったけれど、
プレッシャーに押しつぶされて、
そのポジションが務まらない人を
たくさん見てきた。
出世争いという意味では、
勝ち勝ちを続けたのに、
「こんなはずとじゃなかった」と
苦しむことがあったのだ。
反対に、負けたけれどトータルで見ると
負けて良かったと思えることもある。
「あの時、負けたから、
あのポジションにならなかった。
ならなかったから、
意外に幸せに生きてこれた」
そんなことを思うこともある。
勝った時のようなプレッシャーの中で
生きなくてすみ、
幸せを満喫する人生になったのだ。
人には人生設計がある。
どんな人生を生きたいか。
そして、どうやって幸せになりたいか。
その方法は十人十色。
いろいろな考えがあると思う。
だが、いえることは、
勝つことだけがすべてではない。
負けることで、後々、
幸せになることもある。
だから、人生は難しい。
そして、人生は面白いのだ。