思い出には、「いま」がない

 

(今日のコトバ)

 

過去は、

どんなに美しくても

サプライズは起こせない。

 

 

 

 

人間の記憶は、

頭に残る映像として、

美しくなる傾向にあるらしい。

辛い出来事、苦しい出来事、

悲しい出来事さえも、

時間が経って記憶になると、

いい思い出という映像になる。

なぜ、すべてがいい思い出になり、

美しい映像になるのだろう。

それは、一言でいえば、

「いま」でないからだと思う。

「いま」という

現在進行形であれば、

痛みや辛さに直面している。

苦しくて悲鳴を上げているのに、

その体験が美しいわけがない。

いい気持ちのわけがない。

記憶になると、

いちばんきつかった「いま」がない。

当然、痛みや苦しみも

過去のものになっている。

映画のように、

殴られても、裏切られても、

ほんとうの痛みは感じずにすむ。

それこそ、いい映画を見たように、

いい思い出を見てしまうのだ。

だからこそ、

過去の話題ばかりを話す状態は、

現実逃避の一つなのだと思う。

「いま」が辛くて、苦しいから、

イケてないから、

過去ばかりに戻ろうとする。

いつも、いい思い出として迎えてくれる

過去に戻る。

痛くも、辛くもない昔に戻る。

いけないといっているわけではない。

人生が上手くいかない時は誰でもある。

過去を振り返って、

元気になることもある。

それはそれでいい。

だが、過去ばかり自分が振り返っている時、

確実に「いま」の自分はイケてない。

そのことだけは忘れてはいけない。

 

 

 

 

 

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